目からウロコの The 美肌道
第13話 日焼け止めを持たないハワイ旅行
いざ、日焼け止めを持たないハワイへ!
いよいよハワイ出発の日が来ました。日焼け止めは一切持たずに成田へ出発です。
今回の旅行のメインは長年の念願であったハワイ島のイルカクルージングです。自宅でリサーチしたところボートでかなり沖まで出て海に入るというディープなツアーで、現地のツアーコンダクターによると、泳ぎに相当自信のある人しか参加しないというハードな内容だということでした。ちなみに私ほぼ泳げません。参加は諦めたほうがと現地の方に促されたのですが、イルカと泳ぎたいという夢を叶えるべく、なんとかなるでしょうと無謀にも参加を決意したのでした。
小さなボートで沖に出るのは生まれて初めてです。想像するに日差しも、海からの照り返しもかなり強いはずです。そこへパウダリィファンデーションだけで参加するとは!!! なんだかとてもチャレンジングな気分になっていました。
高山もパウダリィファンデーションを厚めにつけて
現地に到着した日は、夕方近くにロミロミマッサージを受けるだけにしてゆっくりと休みました。二日目は「マウナケア サンセット&星空見学」ツアーに参加です。富士山よりもずっと標高の高い山へ車で登るのですが、これもまた初の体験。紫外線もより強いはずと、ファンデーションをバッグに入れて行きましたが、あまりの寒さで化粧崩れなどあり得ない状況でした。
山頂では、眼下に広がる果てしない雲海の中へ、刻一刻とその姿と色合いを変えながら夕日が沈んでいきました。没する太陽を見下ろしながら、まさに筆舌に尽くし難い大自然の芸術に息を呑みました。通常、高く遠い視点で沈むはずの太陽が、自分よりずっと下へ沈んでいく様子は、日常の常識や概念などあってないものと自然がささやいているかのようでした。
パウダリィファンデーションだけで沖へGO!
翌日、いよいよ海洋学博士主催のイルカクルージング「イン トゥ スピリッツ」に早朝から出発です。ハード過ぎるスケジューリングでヨレヨレでしたが、気分は最高です。なんと言っても長年の夢であったイルカと泳ぐツアーなのですから!この日は出掛ける前にパウダリィファンデーションをやや厚めに重ねるように肌に載せました。アイメイクなどは海に入ったときに滲んだりしそうなのですべてなし。実を言えば、アイメイクくらいしたかったのですが、このときはファンデーションのみのUVカット効果をテストする意味もありましたので、余計なものは一切省いてのトライです。
ツアーのボートは驚くほどに小さなタイプで、参加しているのは私たちを除くと皆、常連といった感じのアメリカ人ばかりです。一人の15歳くらいの少年を含めて10人くらいの参加者と2名のスタッフでボートはいっぱいになっていました。
「ドゥービィー・ブラザーズ!!!」と、ノリノリな掛け声と共にボートのエンジンは全開。つのだひろさんを3倍くらいに拡大した感じのアメリカ人スタッフの叫び声と共に大音量の音楽が流れ、モーターボートのような勢いで沖へ向って突っ走ります。どうやら想像を超えた激しいツアーに申し込んだようです。波しぶきを受けながら「いかん! ファンデーションが剥げているかも」と、皆が必死で船につかまっている中、一人コンパクトを取り出しては塗り塗りしていました。
もしかして私はあのボートで、変人ジャパニーズだったかもしれません
当然のことながら、そんな状況で化粧直しをする女性など他にはおらず、皆、風に吹かれながら海を満喫している様子です。
うーむ。私ってどんなジャパニーズに見えているのだろう? と思いつつ、改めてまわりを見回してみるとボートに同乗しているアメリカ人女性は皆かなり肌が焼けていて、人によっては顔も身体もシミに覆われているような方がいましたが、「シミなんてこれっぽちも気にしていないのよ!」という風情です。イルカを愛するナチュラリストが日焼けを恐れていてはお話しにならないのかもしれません。
こういった人々には『美白』という概念はないのかもしれません。そんな中で頻繁にファンデーションを塗り足す私…なかなかのコントラストです。
パウダリィファンデーションは意外と水に強かった
ボートで半日。沖で海に飛び込んだり、ボートで休んでいたりというのを繰り返しながら化粧直しをしていて気づいたことは、パウダリィファンデーションとは、予想を遥かに超えて水に強く、キープ力があるものだということでした。
しかし、それ程頻繁に塗り直す必要がないと気づいたときには手遅れでした。鏡の中の自分は恐ろしいくらいに白塗り顔となり、まるでアンダーグラウンドの某舞踏派の舞台化粧の域にまで達していたのです。
しまった!!! これでは確実に『奇妙なジャパニーズ』になってしまっている。しかし、何層にも塗りこめたパウダリィファンデーションはちょっとやそっとではびくともせず、パントマイムでもやらずにはいられないような白いお面として、私のお肌を紫外線から守ってくれていたのでした。